美容師として働いていると、自分の年収は平均と比べてどうなのか。このまま続けて大丈夫なのかと考えることがあります。
特にアシスタントとして働いていると、日々の仕事の中で、次のような不安を感じることも少なくありません。
・シャンプーばかりで、技術が身についている実感が持てない
・先輩に声をかけづらくて、質問できないまま時間が過ぎていく
・個人練習をしていても、これで合っているのか正解がわからない
・いつデビューできるのか、先が見えず不安になる
・都会へ転職したい気持ちはあるけれど、住む場所や生活のことが心配になる
こうした不安を感じるのは、決して特別なことではありません。
だからこそ、まずはよく話題になる「美容師の年収平均」について、数字から整理してみます。
美容師の平均年収はどれくらい?
美容師(理容師も含む)の平均年収は、約372万円です。
この数字は、賃金構造基本統計調査(2025年3月発表)をもとにしています。
一般的には、次のような傾向があります。
・20代:240〜300万円
・30代:350〜450万円
・40代:400〜550万円
また、役職別に見ると、収入の目安は次のように整理できます。
・アシスタント:200〜300万円
・ジュニアスタイリスト:250〜350万円+歩合
・スタイリスト:300〜500万円
・店長・チーフクラス:400〜700万円以上
このように、美容師の年収は、年齢や役職によって大きな幅がある仕事です。
なぜ「平均年収」だけでは判断しにくいのか

この数字を見て、思ったより低いと感じた人もいれば、意外と悪くないと感じた人もいるかもしれません。
ただし、ここで一つ押さえておきたいのは、平均年収は「どんな環境で、どんな経験を積んできたか」を区別せずに集計された数字だという点です。
同じ20代、同じアシスタントでも、置かれている状況は大きく違います。
技術を見てもらえる環境にいる人もいれば、忙しさの中で質問できず、個人練習だけで悩み続けている人もいます。
デビューまでの道筋が見えている人もいれば、いつスタイリストになれるのか分からないまま働いている人もいます。
こうした違いがあっても、すべて同じ「平均」に含まれています。
そのため美容師の年収は、年数そのものよりも、どんな前提で経験を積めているかによって、数年後に大きな差が出やすい仕事だと言えます。
年収が伸びていく人に共通する前提
これまで多くの美容師を見てきて感じるのは、収入が伸びている人ほど、最初から特別な才能があったわけではないということです。
違いが出るのは、日々の積み重ねが、次につながる形になっているかどうかです。
自分が今どの段階にいて、次に何ができるようになれば前に進めるのかが分かっている。
分からないことを、そのままにせず、見てもらい、言葉で修正してもらえる。
頑張りが、どのように評価されるのかが見えている。
こうした前提があるかどうかで、技術の身につき方や自信のつき方が変わってきます。
結果として、指名が増え、売上が安定し、収入にも少しずつ反映されやすくなります。
デビューの早さよりも大切なこと

早くスタイリストになりたいと思うのは、自然な気持ちです。
ただ、デビューそのものが目的になってしまうと、不安を抱えたままお客様の前に立つことになりやすくなります。
それよりも、この技術なら大丈夫と思えること。
この接客なら任せてもらえると感じられること。
分からないことを聞ける場所があること。
こうした感覚を積み重ねながら進めるかどうかが、その後の働きやすさや収入の伸び方に影響します。
平均年収はゴールではない
美容師の平均年収は、あくまで途中経過の数字です。
正しい順番で経験を積み、自分の立ち位置と次のステップが見えていれば、月給や年収は少しずつでも確実に変わっていきます。
逆に、前提が整わないまま時間だけが過ぎてしまうと、同じ年数を重ねていても、差は広がりやすくなります。
今の環境で、この先のイメージが持てるかどうか。
自分がどんなステップを踏んでいくのかが見えているかどうか。
平均年収の数字を見るときは、ぜひその視点もあわせて考えてみてください。
美容師の仕事は、人の気持ちを前向きに変える力がある仕事です。
その仕事を、安心して長く続けられるかどうか。
この記事が、その前提を考えるきっかけになれば嬉しいです。

